I LOVE YOU!!
一千夜でプロポーズ小噺。何か間違えているのはいつものことです。
01.お嫁さんにしてください。
02.私と仕事とどっちが大事?
03.あなたに美味しいご飯を作ります。
04.君をずっと守りたい。
05.幸せになる方法
01.お嫁さんにしてください。
「私をお嫁さんにしてください!!」
「花嫁修行の申し込みなら秘色にね」
言いながらアッチにいるから、と指を向ければレイムはあうあうと泣いた。
りんごほっぺが美味しそう。
「ち、違うんですあんなやつに花嫁修行をつけて貰いたいわけではなくて、ですからつまり、その、・・・・・さんのお嫁さんにして欲しいんです!!」
「あー・・・」
間違ってるよ色々と、というべきか否か。しかして多分全部無意味だろうから、気のない返事と共ににっこりと笑って。
「とりあえず家事炊事は完璧にこなして三つ指ついてのお帰りなさいは当たり前、三歩後ろについて歩いて清楚な大和撫子、芯が通ってしなやかであると尚良し。母性は必要よね子供が生まれたらちゃんと叱って面倒の見きれる当たり前を要求できる人がいいわ。自分優先で子供の面倒を見れない母親なんて論外よ論外。私のお嫁さんになりたいならできるわよね?」
きっちり亭主関白宣言をしてみたら、それはうっとりと恍惚の表情で勿論です!と宣言されました。しかし根本的に、お嫁さんは貰わない主義なんだけどなぁ。
戻る△
02.私と仕事とどっちが大事?
「お前、オレと読書とどっちが大切なんだよ!」
「読書と言いたいけど、言ったら泣きそうだからバルレルって言っとくねー」
「嬉しくねぇ!」
「え、まじ?だったら読書で・・・」
「・・・・っ!!」
「嘘、嘘だから。バルレルの方が大切だから」
ふるふると震えながらぷいっと顔を逸らして俯くバルレルの頭をよしよしと撫でて、慰める。
別に気にしてるわけじゃねぇ!って、一体どこのツンデレなのか。
頭を撫でているとぷいぷいと嬉しそうに揺れている三角しっぽがご機嫌具合を教えてる。
戻る△
03.あなたに美味しいご飯を作ります。
「様」
「んー?」
「これからもずっと、私にあなたの食事を作らせてください」
頬を染めてにっこり満面の笑顔を浮かべ、置かれたご飯は焼き茄子と白米とお味噌汁にほうれん草の胡麻和えでした。何時の間に和食をマスターしたのこの子。
「んーこれからも美味しいご飯作ってくれるなら考えとく」
「はい。これからも立派に精進します」
「うむ。よい心がけね」
でも味噌汁はもう少し出汁が効いてると尚ベストかなー?
次回は鰹と昆布を合わせてみましょうか。
戻る△
04.君をずっと守りたい。
交わった剣を跳ね飛ばして喉元にすらりと突きつける。
息を飲んだ丹精な顔が悔しさに歪むと同時に、拳を握り締めた。
「絶対、あなたよりも強くなってみせますから・・・っ」
「いつになることやら」
ピッと血桜をふって、鞘に収める。すとんと真紅が真白に収まると、背中からかかる呟きにも似た決意にちらりと横目を向ける。
「守れずとも、守り合うことはできるはずです」
「私の背中は争奪戦が激しいわよ」
「望むところです」
騎士然と真っ直ぐだった表情は、ふ、と挑発的で不敵な微笑に彩られた。
つりあがった口角に、見据える目に、映るのはさて誰なのだろう。
戻る△
05.幸せになる方法
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゼルフィルド?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・幸セトハドウイウモノダ?」
真顔(なんだろうなぁ人だったら)で問いかけるゼルフィルドに意表を突かれて瞠目し、瞬きを数度行い、眉間に皺を寄せて首を傾げた。
「難しいわね・・・とりあえず、ゼルフィルドにとってみればルヴァイドの役に立つことじゃない?それでルヴァイドが喜んだら、嬉しいでしょ」
「・・・嬉シイトハ何ダ?」
「ルヴァイドが喜んだときに感じるなんとなく浮き立つ気持ちでしょ。そういうの、ない?」
「・・・・・ヨクワカラナイ」
「あぁまあ、だろうね」
ゼルフィルドがすっぱり理解したらすげぇよそれは。とはいってもこれ以上どうしようも、と軽く肩を竦めてそうそうに諦めると、しばらく黙考していたらしいゼルフィルドがやにわにサーチライトを光らせ、
「ト共ニ居ル時モソウナルガ、ソレハ「幸セ」トイウモノカ?」
ゼルフィー、真顔で斜め上行く回答しましたね。ちょっと返事に窮しながらも、そうなんじゃない?と曖昧な答えを返してみる。そうすると、ゼルフィルドはブゥ・・ン、とモーター音をさせて。
「ナラバ、ヲ幸セニスルナラドウスレバイイ?」
正直この天然は凄いと思います。
戻る△