青の世界



「島が見えたぞ!」

 物見台からの声に仰ぎ見た空は、いつか見た空とよく似ていた。
 ざざぁん、と船体に打ち寄せた波が白く泡立ち、突き進む流れに合わせて波が立つ。
 真っ直ぐに船が向かう先には肉眼でも見えるがそれでも小さくぽつんと島の影があって、太陽の下で高く結わえた髪を揺らしながらもうすぐかぁ、と感慨深く目を細めた。
 長いようで短い、短いようで長かった船旅ももう終着点がそこに見えている。久しぶりの陸地に俄かに浮き足立つ船内だったが、けれどもどこかぎこちなく落ち込んでいるのは自惚れてもよいのだろうか。そう思いながら、ちらりと振り返れば視線があったクルーがびくっと肩を揺らして顔を背ける。ずずぅ、と鼻を啜る音まで聞こえたので、いや泣くの早くね?と苦笑を浮かべた。

「なんだかなぁ・・・」

 ぽつりと呟いて船の縁に腰掛けたまま、ぶらぶらと足を揺らす。海の上に足を投げ出すようにして座るこの位置は安全とは言えないが、風も波も穏やかな今、そこまで神経を張り巡らせずとも問題はない。頬を撫でる暖かな風に大きく息を吐くとじとりとねめつけるような視線を頂いてうっと言葉を詰まらせた。

「・・・今、鬱陶しいなぁ、とか、思っただろ」
「思ってませんよ!ただ、まだ降りるのに一日二日あるっていうのになんでああも泣きそうになれるのかなぁと思っただけで」
「じゃぁ泣かせないために残れ」
「無茶言わないでくださいよー。最初の約束じゃないですかー」

 横でじっとりと「今俺不機嫌なんです」っていうオーラを垂れ流しにしていたエースさんに、困った顔を向ければ、エースさんはぷく、と頬を膨らませてそっぽを向いた。抱えた膝が子供っぽいと思うが、それを突っ込めるような空気ではないので、思わず溜息ももう一度零れるというものだ。まいったなぁ、と眉を下げれば、見かねた様子でマルコさんがごちっとエースさんの頭を帽子の上から殴った。

「いてっ」
を困らせるんじゃねぇよい。が決めたことなんだ、いつまでもうじうじしてんじゃねぇよい」
「うー」
「ははっ。でもまぁ、エースの気持ちもわかるぜ?かっわいい妹分がいなくなるとなりゃあ、そりゃ寂しいさ。な、。やっぱちょっと考え直してみねぇ?」
「サッチさんまで・・・」

 犬のように唸り声をあげて顔をぷいっと逸らしたエースさんにサッチさんがからかい混じりに擁護する。それから茶目っ気たっぷりにこちらに話を振るので、半分は冗談だとわかりながらも、へらりと表情を崩して明言は避けておいた。
 そうしている間にも通りがかるクルーからもうすぐだなぁ、とか寂しくなるなぁ、とかお母さん行かないで!とか、俺達の部屋はどうなるんだ!とか(後半ちょい待てや)色々言われたが、私はそれに微笑みを浮かべて返事を返す。お世話になりました、今までありがとうございました、母親になった覚えはないです、自分で片付けてください。などなど。後半の投げやりな返事は仕方ないにしても、一通りの挨拶回りはできたはずだ。

「ビスタさんに、イゾウさん、ハルタさんにジョズさんに、ラクヨウさん達にも・・・ナースさんにもコックの皆様方にも挨拶はしてきましたしもう思い残すことはないって感じですね」
「持って行くものは?ちゃんと用意できてんのかよい」
「大丈夫です。元々持ち物なんて身一つに近いものでしたし、準備なんていうほど何もありませんよ」
「ナース達が残念がるなぁ。折角を着飾ることに執念燃やしてたのに」
「あー・・・それなんですけど、どうせ島についてもしばらく停泊するじゃないですか。どうもその間に色々しようと画策しているみたいですよ、皆様」

 部屋の中から恐ろしい計画が漏れ聞こえたので、恐らく私は島についたらナースのお姉さま方に振り回されながらショッピングする羽目になるだろう。遠い目をして上陸の日を思い浮かべれば、マルコさんが無言で頭を撫でてきた。同情が身に染みますよ、全く。
 溜息を吐いて大人しく大きな掌を甘受すれば、グララララ、と相変わらず一発で誰かわかる笑い声が甲板に木霊した。顔をあげれば、のっそりと巨体を揺らしてエドワードさんが皺の浮かぶ顔に一層深い皺を刻んでこちらに歩いてくる。

「景気の悪い顔をしてどうした、。もうすぐ念願の島だぞ?」
「いやー上陸したときのナースさんと、ついでにクルーの皆さんのことを考えてました」
「ついでかよ!」

 即座に入った突っ込みにあ、うっかり本音が、と顔を逸らすと、更に「おぉい!」と裏手が決められる。瞬間ゲラゲラと笑い声が上がったので、ほっと胸を撫で下ろした。
 降りるときもこれぐらい明るい調子で降りたいものだ、と思いながらどしぃん、と大きな椅子に腰掛けたエドワードさんに視線を向ければ、彼は丸太のような腕を動かして、こいこい、と掌を泳がせた。

、ちょっとこっちにこい」
「なんですか?」

 座っていた甲板の縁から立ち上がり、言われるがままにエドワードさんに近づく。
 そうすると、ひょいっと掌に掬われ、彼の膝の上へと乗せられた。そのまま大きな掌が頭の上に乗ってくるから、ちょっと前までは「潰される?!」と思ったけれども、本当に軽く乗っているだけなので潰されるなどとんでもない。むしろ、この場にいる誰よりも優しく丁寧な扱いをされているだろう、という自信さえ湧くほどだ。まぁ、そう扱ってもらわねば最悪な場合も考え得るので、別段特別なこととは思わないけど。えぇ、ナースさん達よりもか弱いという自信がありますので!
 周りも最初の頃はぎょっとしていたものの、最近だと割りと慣れたのか、特に反応もなく対応していて、あれだ。私が膝の上にいる状態でエドワードさんに何かの報告とか始めたりとかするから、慣れすぎだろうと思うけど。ていうかその場合私を下ろしてくれないか、と思うんだけど、何故か下ろしてくれないんだよねぇ。聞かれてヤバイ内容など話しているわけじゃないだろうからいいんだろうけども。
 あぁでも、なんていうか、羨望の視線とかも向けられることがあるから、微妙な気持ちになることもあったけれど。うん。いい年したおじさんが、同じくおじさん・・おじいさん?の膝抱っこを羨ましがるなよもう本当に・・・このエドワードさんファンクラブめ。
 うっかり過去に思いを馳せそうになったが、完全に嵌りきる前にエドワードさんが目の前に、彼にしてみればそれはそれは小さい布袋を翳してきた。しかし、本当に、指先といわず爪先で抓むような形で袋を差し出しているのだが、いかんせんそれはエドワードさんにしてみたら、というもので私からみればそこそこ大きな袋だ。怪訝に思い、眉を寄せながら一応手の平を器のようにして前に出せば、その上にずっしりと重たい袋が乗せられる。
 じゃらり、と金目の音がして、私はぼんやりときり丸が好きそうな音、と考えた刹那、ばっと勢いよくエドワードさんを見上げた。

「エドワードさん、これ、お金じゃないですか?!」
「あぁ。なに、いくらかは買ってやるつもりだがな。一応先立つもんはいるだろう?」
「そりゃいくらか工面していただければいいなとは思ってましたけど、いやでもこれ多分多いですよ!ていうかまだ他に何か買うおつもりで?!」
「グララララ!餓鬼が細けぇことを気にすんじゃねぇ!買うつっても最低限服と靴ぐれぇはいるだろうが」
「いやでもそれこのお金で十分ですよ?わざわざ買ってもらわなくても・・・!」
、折角こう言っているんだ。遠慮せずに受け取ったらどうだ?」
「ビスタさん。いやでも・・・そんな、悪いですよ」

 お金はありがたく頂きたいですけど、えぇと、船を降りる身分でそこまでして貰うのは気が引けるというか。へにょ、と眉を下げて困惑を露にすると、エドワードさんが指先で髪をかき回してきた。

「う、わっ」
「いいから受け取っとけ。どうせナースからも色々貰う予定だろうが。それにちょっと増えただけのこった」
「ナースさんのは半ば諦めですけど、ていうかそれなら尚のこと頂けないですよ!十分です、もう本当に・・・十分なんですってば」

 そこまでして貰えるほどの対価を、私はこの人たちに支払った覚えはない。全てが全て等価交換とまではいかなくても、それでも、恐らくこの船では毒にも薬にもならないだろう私には過ぎた好意だとはわかっている。しかも今後船にいるわけでもない、去っていくばかりの人間して貰えることの度を過ぎているような気さえしているのだ。ちょっとした餞別程度ならまだしも、この調子じゃぁなんか一層派手なことになりそうで身を小さくする。
 うぅ・・・外見子供でも、中身はそれなりにいい年になっているんで、本当申し訳なさが先立つんですよぉ。

、こりゃぁ俺がお前にしてやりてぇと思ったからやってんだ。たとえお前がこの船を降りようとも、俺にとっちゃお前は娘も同然。その娘の旅立ちに、何もしねぇわけねぇだろ?」
「・・だから、それが、私の身には余るんですよ・・・。あぁもう・・・強引ですね、エドワードさんは」
「グララララ!海賊だからな。強引なのは生まれつきよォ!」

 どうせここで断っても下にいるクルーからなんだかんだで押し付けられそうな予感がしているのだ。というか、断れる気がしない。私の内に入ることには譲歩を見せるくせに、こういうことに関しては一切引いて見せない彼の強引さには困ったものだ。
 諦めの溜息とともに諸々を受け入れることを暗に承諾すると、エドワードさんの微笑みが一層深くなる。それは慈愛の篭った微笑みで、むず痒さを覚えるほどに気恥ずかしい。
 思わず顔を逸らして下を向けば、この船の中でも巨体に位置づけられるが、それでもエドワードさんから見れば小さいというしかないジョズさんが、苦笑めいた、けれども強面の顔に似合わない優しい笑みを浮かべて見せた。うぅっ。上みても下みても慈愛オーラとはこれ如何に?!
 居た堪れなさにもぞり、とお尻を動かしてむぅ、と眉間に力を入れる。あぁもう、本当に、この船の人たちは、私には勿体無いほど、懐が大きすぎて眩暈がしそうだ!
 そしてまた、私がそうやって気を揉んでいることも恐らく察しがついているのだろう。向けられる視線の温かさといったらない。えぇい、散れ散れ!!内心でうわぁぁ!と叫び声をあげながら沈黙を貫くと、ふとオヤジィ!と大きな声が甲板に響いた。
 それにはっと走る緊張感。顔をあげれば、航海士の一人が慌てた様子で走り酔ってきて、私を膝に乗せたままエドワードさんが片眉を動かした。

「どうした」
「オヤジ、急いで針路変更してくれ。このままいくと大渦に巻き込まれる」
「そらまた急だなァ。・・・お前等、聞いたか!渦の回避に針路を変えるぞ!聞いてねぇ奴にはとっとと連絡回しやがれ!」
「おぉ!!」

 航海士の一人が告げた事態に、一瞬の逡巡のあと即座に指示を飛ばすエドワードさんを見上げ、ふへぇ、と気の抜けた声を出した。えーと。

「渦って、そんな急に現れるものなんですか?それとも元々できやすい海域なんですか、ここ」
「いや、ここら辺は穏やかなはずなんだがな。まぁグランドラインは気まぐれな海だ。急な渦の出現も不思議じゃねぇ」
「つくづく思いますけど、物騒この上ない海ですね」
「グララララ!それぐらい楽しみがねぇと退屈すらぁな!」

 いや、私は平穏な海で航海したいですけど?スリルはいらないなぁ、と思いながら、ドタバタと俄かに騒がしくなった甲板に溜息を一つ零してエドワードさんの膝から下ろしてもらえるように頼み込む。この異常な気候の海では、快晴のあとに嵐、あるいはトルネード、はたまた大雪だとか、とにかく異常気象というしかない現象がよくあるのだ。
 この船に乗ってからも、幾度そんな異常な気候に面食らってきたことか。夏の日差しのあとに、雪国も真っ青の大吹雪が見舞ってくるのだ。落差が激しいとかいう問題じゃない。
 そんなときは、経験値ゼロに等しい私にできることはとても少ない。勿論教えてもらったことを活用できる場もあるが、ことこういうことに関しては逆に私などいた方が邪魔だということが多々ある。それに、船の揺れも激しくなるかもしれないので、大人しく部屋に引っ込んでいた方が無難だろうな、と考えたことがエドワードさんにも伝わったらしい。
 あっさりと私を膝から下ろすと、大人しく部屋にいろよ、とまるで幼子に言い聞かせるように言ってくるので、私は複雑に思いながらもはい、と素直に頷いた。まぁ、別に、彼の対応は間違っちゃいない。
 そうは思うも、やっぱり複雑、と思いつつ忙しいそうに動き回るクルーの間を縫うように走り出せば、そんな私に気がついたのかジョズさんが声をかけてきた。

!」
「はい?」
「悪いが、エースを呼んで来てもらえないか? どうも甲板から外れたところにいるらしくて、この号令が聞こえてないみたいなんだ」
「あー・・・そういえば端っこにいましたね、エースさん。わかりました。行って来ます」

 当初いたところよりもどこかに歩いていくエースさんの背中を確かに私も見たので、離れすぎてはこの広い船のこと。いくらエドワードさんの声が大きくとも届かないことはあるだろう。とはいっても、この騒ぎだ。気がついてこちらにくることもあるだろうが・・・うっかり対応が遅れて海にどぼん、なんてことになったらそれこそエースさんの身が危ない。
 悪魔の実の能力者とやらは、海に嫌われ、体の自由が一切きかないそうだから。幸いまだ渦も現れてないみたいだし、船の揺れは平時となんら変わりない。
 事が起きる前に回収すればいいだろう、と軽く了承すると、エドワードさんの膝の上からみた方角に向かって足を速めた。パタパタと小走りに駆けると、一人ぽつーんと看板の縁で、胡坐をかいて水平線を見つめている後姿を見かけた。
 オレンジ色のテンガロンハットが潮風に揺れていたが、それよりも私はこんないつ何時渦が襲い掛かるかもわからない時に、なんで壁の中ではなく上に腰掛けてるんだ!と大声をあげそうになった。

「エースさん!」
「んあ?・・・どうしたんだ?
「どうしたもこうしたも・・・。エドワードさんの声聞こえてなかったんですか?」
「オヤジ?オヤジがどうかしたのか?」

 慌てて駆け寄れば、壁の上に座り込んでいるエースさんからは見下ろされる形になり、首を反らして見上げれば怪訝に顔を歪めてエースさんが首をかしげた。
 あぁ、これはマジで声が届いてなかったんだな、と瞬時に悟ると溜息を吐き出しつつ私はもうすぐ渦がくるんですって、と理由を話した。

「だから針路変更するんで、今クルーの皆さんがてんやわんやですよ」
「あー。だからなんか騒がしかったんだな!」
「気づいてたなら動きましょうよ・・・それにしてもすごい笑顔ですね」

 なんだ、なんでそんなに笑顔満点なんだ。これから一仕事あるというのにこの晴れやかな笑顔。そんなに仕事があるのが嬉しいのか?と疑問を覚えてしまうほどに嬉しげなエースさんに、訝しげに顔を顰めれば、エースさんはにぃ、と口角を持ち上げる。

「針路変更ってことは、島につくまでまた時間ができるだろ」
「・・・そうですねぇ」

 多分、明日明後日の到着にズレが出るのは確かだ。まぁ、さほど大きく変わるものとは思わないけれど。頷くと、エースさんはししし、と笑い声をあげてくるりと海に背中を向けた。

「なら、もう少しはこの船にいるってことだよな」
「あー。そう、ですねぇ」
が船に残りたくないってのは仕方ねぇけどさ。もうちょっとぐらい、ここにいてくれよ?」
「・・・はい。もうしばらくは」

 そういって瞳を細めたエースさんは、寂しげなお兄さんの顔をしていて、そういえばこの人にはルフィっていう主人公、基弟さんがいたなぁ、と思い出す。
 もしかしたら、離れて今はまだ遠いところにいる弟を思い出しているのかもしれない。普段は兄っていうより手のかかる子供みたいな人ではあるが、しかしやはりこの人も兄なのだろう。そう思いながら、とにかく甲板に手伝いに行ってくださいよ!と壁に近づき手をかけた刹那、ぐらり、と大きな揺れが船体を襲った。

「う、おぉっ」
「わ、ぁ、」

 突然の大きな揺れ。船体は大きく傾き、ざばぁん、と波が高くあがる。体のバランスは崩れ、視界の端でエースさんが酷く慌てた様子で壁の柵のようなものに手を伸ばして体を支える。ほっと安堵を浮かべたエースさんに、私もほっと胸を撫で下ろした。海に落ちたらエースさん、洒落にならないものなぁ。そう思いながら、想像していたよりも早く渦が出来上がったらしい、と丁度揺れで身を乗り出すような形で壁に体を寄りかからせる状態になっていた私は、覗き込むような体勢で海を見下ろし、そうして、その時ほど自分の迂闊さを呪ったことはなかった。
 ぐらり、と、またしても船体が渦に足を取られて大きく体を傾ける。遠心力がかかったようにぐわぁんと傾く船体に、私はあれ、と目を丸くした。

「っ?!」

 後ろで、エースさんの驚愕の声が聞こえた。その声にふと振り向けば、目を見開いてこちらに手を目一杯伸ばすエースさんの姿が見える。あ、そんなに身を乗り出すと落ちちゃいますよ、なんて心配は、体全体にかかる心許ない浮遊感に、全て飲み込まれた。あれ?
 下には、泡立ち渦を巻く海面。上には、遠ざかっていく船と、何か叫んでいるエースさんの怖いぐらい必死な顔。伸ばされた腕に、反射的に手を伸ばし返すも、爪の先ほどにも掠らない。遠ざかる、遠ざかる。これが彼の弟の手であれば、きっと届いただろうに。
 まるでビデオ、いや古いか。DVDのコマ送りのように流れる景色と、無声映画のような無音の世界。あ、私、もしかして、海に振り落とされた?と思い至った瞬間には、恐怖を感じる前に、ざぶん、と冷たい水の中に全てが沈んでしまっていた。


「――ーーーーーー!!!!!」


 悲鳴のような、エースさんの声でさえ、海に落ちた私には一切届かずに、もみくちゃにされる海流と、全てを包む青。そして途方もない息苦しさに、私は抗う術を持ち得ない。
 遠ざかる意識に、思考さえままならず。ごぼりと、青の世界に、最後の名残のように、白い泡が渦に揉まれて、流されていった。