あ ぁ 、 も う わ か ら な い。
痛くて痛くて痛くてただ痛くて、途方もなく苦しくて辛くて眩暈がして、極自然にできていた呼吸が何故だかとても不自然にしか行えなくて。
息苦しくなって大きく咳き込んだら、何故か口の中が錆びた味で一杯になった。
それが気持ち悪くて不快で溜まらなくて、口の中が何かで一杯になっていて息苦しかったから、極自然な成り行きでそれを吐き出した。
げほっと咽込んだら、べちゃべちゃとそれが飛び散った。目に入った色はなんだか赤黒くて、そこで初めて血を吐いたのだと知った。
吐血なんて初めてだ。あれ?これ吐血でよかったんだっけ?血を吐いたと思ったらまた急激に目の前が真っ暗になって眩暈がして、痛みがまた激しくて苦しくて腕を動かそうと思ったら、またなんでか力があまり入らなかった。
意味がわからない。それでも腕を動かすと何か暖かいものが手を握った。ぎゅっと強く握られて、強く強く握られて、なんでかそれがむしょうに安心感を与えてくれて、苦しいけど痛いけど物凄く辛いけど、ほんの少しだけ顔の強張りが解けたように思う。
人肌っていいな。人がいるっていいな。うん。うん。
よかったよ、皆がいてくれて。1人でなくてよかった。近くにいてくれたよかった。
本当だよ。だってほら、いてくれるだけで、怖いのが少しだけ、なくなったから。
うん、大丈夫。平気だよ、わかってるから。わかってる、自ぶんがどうなるのか、わかってるよ。わかっちゃったって、いったほうがいいのかもしれないなぁ。
ふふふ。うん、不しぎな感じ。動かないんだ、眠るみたい。ねむるしゅん間、いつねたのかわからないあんなかんじだね。わかってるわかってる、わかってる。
あぁでも、ここはどこだろう。あれ。ねぇ、どこだろう、なんだろう、これはなに、どうなるの。
どうするの。ねぇ、ねぇ、みんな、みんな?みんな、みんな、まって、まって、まって?なにを。おねがい、ここは、ここ?こわい、こわい?こわい、くらい、くらい?おねがい、まって、みんな、みんな、だれ、だれ、どうして、なにが、わたしは、どうして。おねがいだから、おねがい、おねがい、どうか、どうか、まって、よんで、よぶ?だれを、なにを、どうして。
おねがい、おねがい、おねがい?なぁに、それはなぁに、こわい、こわい、うん。こわい。
きらい、だいきらい、いやだよ、いや。まって、こわいの、おねがい、よんで、たすけて、のばして、あぁ、まって。
ああ、ああ、もうなにをおねがいしてるの、わからない、こわい、いやだ、たすけて、たすけて、こわいの、こわいのはいやなの。さけんで、さけぶ?よびとめて、とめる?そうしないと、そうし、ないと?あぁわたし、わたしは、。
こわい、こわい、こわい、こわい。くるしい、くるしい、くるしい、くるしい?
あぁもうわからない。わからない。わからない。わからない。こわい、くらい、こわい、きらい、わからない、あぁ、なにが。なにが、あれ、なにがこわいの?なにがきらいなの?なにがわからないの?わからないの、わからない。わからないよ、こわい。きらい、たすけて、なにから。たすけて、たすけて、たすけて。おねがい。たすけて。こわいのはいや、くらいのはいや、そんなものきらい。だいきらい。あれ、あれ、ねぇ、なに、どうして、あぁなにが、なにが、なにが、なにが。