ピーッ!というアラームにかぱ、と蓋を開けて中身を確認する。本来ならほこほこと湯気をあげてふっくらと美味しく炊き上がっているだろう白い美人さん達。粒が立って美味しそうな匂いを醸し出すはずのそれをしゃもじで一掬いして口の中に放りこむ。
 もごもご、ごくん。飲み込んでから、今日は雑炊かな、と冷蔵庫の中のものを思い浮かべた。

「そろそろ買い替え時かなぁ」

 笊に中に芯が残って微妙な炊き上がりになってしまった白米を浚いながら、長年使い続けてきた炊飯器の縁を撫でて嘆息する。うぅむ。いつかはこんな時が来ることはわかっていたが、私がえぇと・・・生まれる前からの付き合いのある炊飯器だ。
 それなりに愛着も、機能性にも慣れがあるので新しいものを、と言われても金銭面からみてもそれなりに渋い気持ちになる。いや、勿論新しいものへのときめきは健在だ。CMとかチラシとか電気屋に行ったときとか新しいものについつい目が行くしいいなぁ、欲しいなぁ、と羨望の眼差しを向けることは最早ルーティーンみたいなものである。しかしいざ実際にそうなってみると、こうも微妙な踏ん切り具合になるものか、としみじみと頷いた。愛着ってあるよね、炊飯器。我が家から持ってきた数少ない電化製品だ。ちなみに洗濯機と電子レンジと冷蔵庫も実家からもってきたものである。これらもそろそろ買い替え時な気配がするが、まだ使えるのでもうちょっと後でいいかなって思ってる。
 高いしねぇ、電化製品って。いや、良いものを買おうとするからそうなんだけど、どうせ長く使うことを考えたらそれなりにいい製品とかを選びたい主婦心。滅多に買い換えないもので、尚且つほぼ毎日使うのだ。うん。奮発していいもの選ぼう。
 幸いにして、時期が時期なので結構メーカー品も値下げしてるものが多いんだよね。別に最新型でなくていいんだよ。最新でなくてもいいものであればいいんだよ。
 というわけで、次の休日は電気屋にGOだな、と休日の予定を組み立てて、冷蔵庫の中のものをぶっこみ雑炊を作りつつ、どの炊飯器がいいかなぁ、とちょっとウキウキと胸を弾ませた。次の休日楽しみだなぁ!







 大きな電気屋というのは大体人が多いものだが、今日はちょっと異常なぐらい多くはないだろうか?白く清潔に整えられ、一列ごとに陳列された商品の棚を縫うように目的地まで歩きながらやけにざわつく店内に首を傾げる。ぶつかりそうになった肩をギリギリで回避し、きゃあきゃあとざわつく若い女性の姿を目線で追いかけた。・・・まぁ、チラシに夏の決算売り尽くしセール、と大々的に銘打って何件もの電気屋のチラシが入っていたので、それの効果もあるのかもしれない。丁度新商品との入れ替え時期で、型落ち製品も出るから結構特価なんだよねぇ。ちなみに私の狙いもそこである。
 とりあえず美容系電化製品の売り場から、家電製品の売り場の階に行くために、人の流れに逆らうようにエスカレーターを目指した。横を流れるエスカレーターには老若男女、やや若い女性の比率多めで人が乗っており、皆携帯を片手に持っていたり興奮したように頬を染めながらなにやら下に向かっているようだが、はて。・・・イベントでもしているのかな?有名人でもきているのかもしれない。かといってそれをわざわざ見に行こうと思うほど野次馬根性は逞しくもないし、むしろ上の階は人が少なくなって見やすいかもしれないと思うとラッキーなぐらいだ。大体有名人なら割と日常茶飯事的に見慣れてる。有名人って気がしないけど、あれでもあいつら今をときめく芸能人のはず。
 テレビとかで見かけると「あぁあの人らそういえば芸能人だっけ」って思うレベルで顔合わせてるからなぁ。これが声優さんなら私も踵を返して見に行くかもしれない。いやでも先に炊飯器だ。家電フロアにつくと早速天井から吊るされている案内板を頼りに炊飯器コーナーを探しだし、いや途中で掃除機とか電子レンジとかもちらちら見たけど、ほぼ真っ直ぐに炊飯器のコーナーにまでやってきて、居並ぶ最新炊飯器、あるいは目玉の売り切り商品に目を輝かせた。やだ、炊飯器コーナー楽しい・・・!

「やっぱりメーカーだよね・・・買うなら信頼のエレファントマークかな・・・いやでもパオソニック製品も捨てがたい・・・」

 CMでやってるよね、土鍋風と踊り炊き!正直味の違いはそこまでないとは思うけど、どっちにするかはすごく迷う!勿論炊き方でお米の美味しさにも違いは出るけれど、一番の決め手はそもそもの品質にもよるし、どちらもいい製品には違いないのであとは値段と機能性、か・・・。使い勝手は大事だよね。機能性といっても炊飯器料理にそこまで拘ってはいないから、そんなに色々できる必要もないけど、ここは土鍋風・・・いやでも米の炊き方とかも・・・。個人的にはやっぱり土鍋、あるいは竈で炊いたお米に勝るものはないと思っているよ。えぇ、あれほど美味しいお米の炊き方はございません。それで生活してきた人間が言うんだから間違いないよ。炊き方難しいけど間違いなく美味しい。
 だって美味しいから炊飯器でそれを実現しようとしてるわけだしね!ということはやっぱり土鍋風・・・!?あぁんでもこっちの踊り炊きだってお米が粒だってて美味しそう!
 値段は!?あぁどっちも半額以下かー!元値は?同じ!くっ、ここでも両者一歩も引けを取らない、だと・・!?
 最新型も気になる!気になるけどさすがに十万以上出す気にはなれないので却下!値引いてもこれはあんまり変わらない気がするし。ならやっぱり型落ち特価で・・でもどっちも捨てがたいぃぃぃっっ。あぁだめだ、やっぱり数並ぶと迷うな・・・買い換えることなどそうないから余計に考え込んでしまう。また次回にするか・・・?いやでも次きたときにある保証はどこにもない。これ在庫限りだし。ならやっぱり今日決めて・・・!

「・・・なにをしているんですか、あなた」
「え?」

 この二つ、甲乙つけがたい・・・!うぅん、と眉間に皺を寄せて悩んでいる背後から、多少驚いたように声をかけられて一旦思考を止めて振り返る。集中力が途切れるようにぐるん、と首を動かして、そこで予想外のものを見ました、とばかりに呆けた顔をしている3人組に、今度は私の方が目を丸くした。え!?

「一ノ瀬君、神宮寺君、日向さん?どうしてここに」
「ロケで偶々、ね。それよりレディこそ随分怖い顔して悩んでいたようだけど、どうしたんだい?」

 やぁ、と片手を振って少し距離をあけていた神宮寺君がするりと近づいて右横に並ぶ。並ぶ炊飯器を見下ろして、買うの?と小首を傾げた。まぁそのつもりだが。

「ロケ・・・?あぁ、だからやけに人が多かったんですね・・・」
はスケジュール把握してなかったのか?」
「マネージャーでもないんですから一々記憶してないですよ。でも言われてみればそんな話は聞いていました。まさかこことは思いませんでしたけど」

 そういえばこの3人、今度の映画の宣伝とかで「ヒルナンダヨ!」に出るとか言ってたな。確か映画は日向さん主演の刑事ものの連続テレビドラマの劇場版で、神宮寺君は日向さんの弟役、一ノ瀬君は日向さんのバディ役だったな。シャイニング事務所のアイドルが3人も豪華に出揃ってるってことで話題だったんだ。内容も評判がいいってどっかで聞いた気がする。番宣かねてのロケ撮影か。・・・・・・周囲の視線が痛いデスネ。

「3人ともロケは終わったんです?」
「えぇ、まぁ。個人的に欲しいものがあったので残ったんですが、まさかさんに会うとは思いませんでした」
「私もまさかここで遭遇するとは思わなかったよ」
「遭遇ってお前、熊にでもあったみたいな表現するなよ」
「レディにしてみたらオレ達は熊みたいなものかな?視線が集まるからね」

 そういって神宮寺君が慣れた様子で周囲にひらっと手を振るので、撮影の延長かと思っているのか遠巻きにしている周囲がきゃぁ、と色めき立つ。さすがアイドルをするために生まれてきたような男。こなれ感が半端ない。あとこれ熊というより客寄せパンダ的なやつだと思う。どっちにしろ大注目。
 言われて、周囲をぐるっと見渡した日向さんと一ノ瀬さんが、なるほど、と頷いて神宮寺君と逆隣り、つまり私の左隣と背後を陣取って、何故か私を囲い込んだ。え、待ってこれ圧迫感すごいんですけど。ぎょっとして挙動不審に3人をきょろきょろと見渡せば、後ろから日向先生がにっと口角を吊り上げて笑った。

「これなら周りから隠れるだろ。お前小さいからな」
「写真に撮られることもありますから、少し我慢してください」

 え、君らがどっか行ったらよくね・・・?囲む必要性、と思いつつまぁ、確かに周囲から隠れたけどこれはこれで微妙じゃないか、と腑に落ちないものを感じつつ炊飯器に視線を戻した。多分これ何言っても無駄なやつ。用事すませてさっさと帰ろ。

「ところで一ノ瀬君は買い物済んだの?」
「あとで行きます。同じフロアにありますから」
「そうなんだ?」
「それで?何で悩んでんだお前」

 うん?いや、自分の買い物すればいいんじゃない?そうすれば目立たないけど、と思いつつどこかに行く気が微塵にも感じられないので、流されるように日向さんに促されるまま目の前の炊飯器を指差した。

「いえね、最近炊飯器の調子が悪くて。長年使ってるものですし、買い替え時かなぁと思って買いに来たんですけど、どれにしたものかと悩んでる最中です」
「あぁ・・・あの炊飯器古かったもんな」

 納得したように頷く日向さんは感慨深そうにあれもお役御免か、と呟くのでいい炊飯器でした、と故人を偲ぶように神妙な表情を浮かべる。

「・・・それはそれとして、さんが使うにはこの炊飯器は大きくありませんか?5.5合もいらないでしょう」
「レディは見た目通りの食欲だったと思うけど?そんなに食べないよね」

 何時の間に大食いにクラスチェンジしたの?と神宮寺君に問われて、クラスチェンジて、と突っ込みつついやぁ、ねぇ?とちら、と視線を日向さんに向けた。斜め上を見るように横目を向けて、曖昧に口角を持ち上げる。

「うち、なんかご飯食べに来る人多くて。これぐらいないと追いつかないの」
「へぇ。そうなんですか」
「羨ましいね、レディの作った料理を食べられるなんて」
「まぁ、食費分は貰ってるし、1人分作るより何人分か作った方が楽な時もあるからいいっちゃいいんだけどね」

 ただ私も、まさか1人暮らしするのに5.5合、ないしは一升の炊飯器を選ぶ羽目になるとは思わなんだよ。小さい奴なら安いのあるのにね。

「・・・・それなら、このエレファントマークの製品だろ。土鍋風の飯は美味い」

 じと、と注がれる視線をポーカーフェイスでいなしつつ、日向さんがすっと指差して南部鉄器を採用している土鍋風炊飯器のプライスをぴしっと指で弾いた。・・・ふむ。

「そうですね、日向さんがそういうなら・・・・」
「いえ、それなら踊り炊き方式のこちらの炊飯器の方がお米もつやつやふっくら炊きあがりますよ。私も使っているので、こちらはどうですか?」
「え?そうなの?使い勝手は?」
「悪くないですね。ほらここ、人工知能機能もついているので、音声識別で予約炊飯も炊き上がり指定もできるんですよ。操作する手間が省けます」
「へぇ、最近のはハイテクだね」

 地味に炊飯器って操作が面倒なときあるんだよね。いやささやかな手間といえば手間なんだけど。刹那、頭上で火花が散ったような気がしなくもなかったが、それよりもどっちにするかで悩む私には関係ないことだと思ったので、スルーしておいた。知らない、一ノ瀬君と日向さんが無言で睨み合っていたなんて、私には関係ないことだよ。でもお米戦争は仁義なき戦いだと思うので致し方ない?

「こっちの最新型はダメなのかい?レディ。こっちも美味しそうに炊けそうだけど」
「そっちは高いからダメ。最新型は値引いてもたかが知れてるし、一代ぐらいの型落ちだったら機能差も大きくないから」
「そういうものなんだね・・・」

 軽く十万以上はする高級炊飯器を指差して進めてくる神宮寺君に重々しく首を横に振った。
 そんな金額をぽんと出せるほど裕福ではないのですよ。いや、この年代にしてはそこそこ稼いでいる部類だとは思うが、十万以上をぽんと出せるほど高給取りなわけじゃないので。神宮寺財閥のお坊ちゃんで尚且つアイドルして稼いでいる神宮寺君とはこういうところの金銭感覚は噛みあわないな。まぁしょうがないことか。てか神宮寺君自分でご飯とか作るのかな?してるイメージがないので、余計ことこの辺りはよくわからないのかもしれないな。いやでも最新型だって買えるものなら買いたいんだよ?ただ予算オーバーなだけです。

「炊飯器つったらエレファントマークだろうが、一ノ瀬」
「今は一強の時代じゃないんですよ、日向さん。電化製品も群雄割拠の時代なんです」
「最後にものを言うのは今まで積み上げてきた信頼度!買うならエレファントマークなら間違いはねぇ」
「それをいうなら電化製品ならばパオソニックの実績も引けを取りません。実際に使用している私が言うのですから、これほど安心なこともないと思いますが?」
「あ、レディ。こっちの炊飯器は?これ中身の内釜が外せて御櫃になるそうだよ?」
「あーそれも気になってた!御櫃いいよね。でもちょっと釜が重いかな?」

 どこからともなく「ファイッ!」と掛け声と共にチーンとベルが鳴らされた音が聞こえたような気もしたが、神宮寺君がいかにもな感じでスルーしたので私も便乗してスルーした。神宮寺君は滅多にこういうところにこないからなのか、酷くウキウキと楽しそうに眺めているので、口論を始めて別の意味で注目を集め始めた2人から離れるように神宮寺君について回る。

「そうか、こういう重さも大事なんだね」
「取り外して洗ったりすることを考えると、重すぎるのは大変かなぁとは思うよ。まぁその分熱伝導率とかはいいのかもしれないけど・・・」
「あ、これ買ったらお米もついてくるって。こういうのをお得っていうのかい?」
「量がたかが知れてるし、今後継続的に買えるわけじゃないからなぁ。それなら実質的に安い方が・・あ、これ安い」
「うーん?でもこれあまり知らないメーカーだね。あ、中国だ」
「やめとこう。買うならやっぱり日本製!」
「そこはこだわるんだね」
「いや、外国でもいいものはいいんだろうけどね、気持ち的に日本製の信頼度は捨てられなくない?」
「わかる気がするよ」

 あとメーカーの知名度はやっぱり大きいよね。アフターフォロー的な意味でも。あぁでもない、こうでもない。これは値段が、機能が、あ、あっちに電子レンジあるよ。私レンジも欲しいんだよねー。オレもコーヒーメイカーが、等々。雑談を交わしつつ吟味を繰り返していれば、両サイドからぐわしぃ!!と肩を掴まれた。ひ!?

・・・」
さん・・・」
「お、おぅ・・・2人とも・・・結論は出ましたか?」

 凄みのある笑顔で見下ろしてくる2人にやや頬を引き攣らせつつ、痛くはないが逃げるには憚られる程度の力を固定された両肩に何やら重圧を感じた。やだ、この2人なんでこんなに他人の炊飯器で白熱してるの・・・!

「お前はどっちを買うんだ?」
「選ぶのはさんですから、ね?」
「う、うん、そうだね・・・」

 あれ、可笑しいな。2人がオススメしてる奴を選ばなくてはいけない空気になってるぞ?いや個人的にはどっちでもいいんだけど、何故だろう、このどっちかを選んではいけないような空気感。張り合うように日向さんと一ノ瀬くんが睨み合い、その間に挟まれた私の居た堪れなさよ。少し冷えるぐらいに利いた空調だけではない何かにぶるりと体を震わせ、剥き出しの腕を撫で擦る。まいったな。これ、どっちを選んでも角が立ちそうな気が・・・なんで個人の買い物でこんなに気を遣う羽目に・・・。困惑と共にどうしたもんかなーと悩ましく考えていると、1人我関せずのごとく店員さんを呼び止めて話を聞いていた神宮寺君が(女性店員さんの目がハートだった)くるっとこちらを振り向いた。

「ねぇレディ。こっちの炊飯器は在庫がなくて現品になるからここまで値引きしてくれるそうだけど」
「それでお願いします」
「「!?」」

 即決だった。え、なにそれ買いじゃん。元値これでしょ?それから特価でこれで、更に値引き?え?税込で?型落ち商品で売り切り予定?メーカーも有名所じゃん。迷う理由なくね?2人から感じていた威圧感も全てをぶった切って、店員さんに詳しく話を聞いてなるほど納得、と頷く。現品だから色はこれだけ?大丈夫別にそこにこだわりはないし。展示してるやつだから多少汚れ?磨いてくれるんでしょ?電気通して使ってたわけじゃないんだし問題ないよね潔癖症でもあるまいし。機能も一代型落ちだから最新とさして変わらない?オッケー私そこまで高度な機能求めてない。あ、でも箱はないのか・・・運ぶの大変だな・・・。

「それなら、オレが乗せて行こうか?ジョージの車があるし」
「マジで!ありがとう神宮寺君!」
「レディの為ならお安い御用さ。ついでにランチも一緒にどうだい?」
「あんまり高くないところならいいよー」
「決まりだね。あ、イッチーたちはどうする?」

 さくさくっと話が決まると、早速店員さんにお願いして炊飯器の準備をしてもらう。初めはこんな目立つ連中と遭遇するなんてなぁと思ってたけど、マジ助かったよ神宮寺!心の底から感謝を告げると、ふふ、と神宮寺君が満更でもなさそうな顔で微笑んだ。

「・・・なんだ、この敗北感は」
「・・・妙に出し抜かれた感じがしますね」
「ふふ。龍也さんもイッチーも、レディを置いて白熱するのはいかがなものかと思うよ?」

 買うのはレディなんだからね、と余裕たっぷりに目を細めた神宮寺君に、2人の頬がひくり、と筋肉を痙攣させた。パシィン、と3人の間で再び火花が散ったような、散らなかったような・・・あまりちゃんと確認する気にもなれなかったのでスルーして、私は準備が整うまでのちょっとの間、のんびりと他の家電製品を眺めることにした。
 あ、そういえば一ノ瀬君買いたいものがあるんじゃなかったか?・・まぁいいか、なんかあそこで睨み合ってるし。とりあえず個人的に欲しいものは買えたので、ほくほくと満足気に、私は店内をぐるっと回った。いやーいい買い物だった!