気紛れな夜と朝の温もりに孕んだ、5月の狂想曲



 ある意味で急展開だった出来事に、置いてけぼり感が否めないまま時間ばかりが無為に過ぎていく。とはいってもまだ一日ぐらいしか経っていないのだが。しかし待ってて、と言われた手前自らがなんらかのアクションを起こすのは憚られ、いくらかの焦燥感に煽られながらも依然としてパートナーの件は保留のままで、動く様子がなかった。
 曲についても先生に持っていかれたままだし、これについても私には手の出しようがない。精精、別の曲を作り始めることぐらいだろう。テーマは変わらないのだから、今度はもっと真面目に、なぁなぁにならないように気を引き締めて曲を作ってみようと思う。
 パートナーがどうなるかわからないにせよ、多分あの曲じゃダメだ。月宮先生がどう頑張っても、あれは、なんというか・・・ダメなんじゃないかな、と思うのだ。うん。
 ふふ、思った以上にパートナーからの完全否定が堪えているらしい。二度目だしね!さすがに傷つくよね!そんなことを考えつつ、気分転換でもしようか、と放課後、私は思い立ったように地図を取り出し、目的地までの順路を指で追いかけた。





 早乙女学園の図書室は、最早学校の図書室じゃなくて市立とか県立の図書館と遜色ないと思うんだ。いやまぁこんだけでかい学校なんだから、図書室の規模だってそりゃ半端ないとは思っていたんだけど。
 辿り着いた図書室、基、図書館に思わず呆れたように目が半眼になったのは、仕方ないというものだろう。これは最早部屋ではない、館だ。学校の敷地内にある、独立した赤煉瓦造りの建物は所々緑の蔦が壁を這うように覆っていて、天然の緑のカーテンを演出している、実にクラシカルな建物だ。一昔前の英国、いやドイツ?まぁ、洋館風のまるでこれ一つで映画のセットのようにも見えるし、絵画の一部のように洗練されている。・・・ここで映画とかドラマ撮影がされていても、私は何も不思議に思わないぞ。
 あぁ、なんだかこの様子はひどく懐かしい。ある意味で見慣れた、今は遠い昔の出来事を思いだしながら、木の枠組みのガラス扉をぐっと押し開けると、ふわりと空気の流れを感じて視線を巡らした。きしり、と踏み入った足の下で少しだけ床板が鳴る。
 床は濃い目のダークブラウンの木の板が敷き詰められ、見渡せば本の貸し出しなどを行うカウンターこそ近代的な様子を残していたが、図書館内部の本棚だとか椅子だとかは全て木製のシックな家具で統一されていた。外見を裏切らない内装に、ときめきを隠せない。
 うわぁ、なんて素敵なんだろう!こんなレトロな図書館を生で見たことがなかったので、どきどきと少しの興奮に頬を染めた。それに、確かここは第一図書館で、第二図書館もあったはず。第二図書館は近代風らしいので、こっちはレトロ図書館といったところか。なるほど、無駄に凝ってますな。あと図書館二つもいるのかな。いや、本がたくさんあることは喜ばしいことですけれども。そんなことを考えながら、うきうきと背の高い本棚が整然と並んでいる間に向かった。本が焼けることを考慮してか、あまり明るくはないオレンジの柔らかい明かりと窓の陽射しが落ち着いた印象で目に優しい。吸い込んだ空気はあの書物独特の紙の臭いを纏っていて、なんだか無性にほっとした。
 数人の生徒が点在している中を、木製の本棚の間を縫うように歩きながら、その蔵書数には目を見張った。なんかよくわからん専門書から俗物的なライトノベルに絵本、料理本からやっぱりあるよね音楽関係、ファッション雑誌に、アニメ雑誌まで!とりあえず揃えられるジャンルは一通りありますよ、と言わんばかりの豊富さに、浮き立つ内心を殺しきれない。ちょ、素敵すぎるなんだここ!

「さすが早乙女学園・・・本の種類もぱねぇ」

 どれから手をつけようか、とりあえず今後の資料に料理本だけはゲットしておくべきか。お弁当のレパートリーとかもそろそろなぁ。そう思いながらパラパラと本のページを捲り、毎日の節約レシピとかいう謳い文句が書かれたレシピ本を脇に抱える。うん?必要ですけどそれが何か?
 にゃんこのご飯もどうしよーかなー。さすがにこの学園にペット用品までは売ってないので(ペット禁制だし)、あの子の食事にも気を遣う。まぁ猫なんだから毎食同じでも構わないと思うんだけど・・・何故だろう、そこで手を抜いちゃいけない気がするのは。
 やっぱり呪詛が関係してんのかな、と思いつつ本棚を見上げて本の背表紙を観察しながらゆっくりと歩く。・・・日本の文学書、歴史書の棚に視線を滑らせれば、僅かに微苦笑が零れた。

「忍者、ね・・あぁ、こっちは源平合戦か」

 多少、いや大分現実のものとは違う創作の世界だとはいえ、ある意味ではちゃんと史実を加えてた世界は、今では遙か遠い昔のこととして文字だけに残っている。
 まぁ、忍術学園でも平家物語は書物だけの存在ではあったのだけれど・・・その事実が何か可笑しく、寂しくて、虚しい。不意に訪れた空虚感に古びた本の背表紙を指で辿りながら、ふふ、と息を漏らした。

「文字だけならよかったのになぁ・・・」

 言っても、詮無いこと。全部が全部、そうであればいいと思うわけじゃない。それでも、こうして、本を開いて眺めるだけの世界であればどれほど楽だっただろうか、と思う気持ちは隠せなかった。ぽっかりと開いた胸の内に息を止め、深く吐き出してから本棚から視線を外す。ここは、ちょっとした鬼門かもしれない。平静でいるには私には縁が深すぎた。少しだけ、泣きたい気持ちを覚えながら、足早にその場から遠ざかり、海外文学の棚に入る。多分全部英語で書かれた洋書だとかもここにはありそうだったが、なんとはなしに手に取った本はちゃんと日本語翻訳がなされていたので、ほっと息を吐いた。
 ぱらぱらと本のページを捲りながら、タイトルと示し合わせて興味を煽るものを選別していく。ハードカバーよりも文庫サイズの方が持ち運びも読むのにも楽といえば楽なのだが、しかし面白そうな本にそんなことは関係ない。
 隙間なくぴっしりと収まる本を乱すなんともいえない気持ちを感じながら、自分の目線が届きやすい下から本棚の半ばまでを見やり、ぐっと首を逸らして上を見上げる。
 背の高い本棚の上の方はタイトルを確認するだけでも大変だ。標準よりもいささか低めな自分の背丈がこんなときばかりは恨めしい。まぁ、視線で追いかけるだけなのだからさしたる苦労もないのだ、が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁっ。

「新刊、だと・・・!?」

 目に留まった真新しいハードカバーの背表紙に、べたっと思わず本棚に張り付いて目を凝らす。よりにもよって上の棚に!上の棚にあるなんて!ここに入学する前から実家でも集めていたシリーズ本の最新刊が、無造作に棚の間に挟まっている光景を見つけて愕然と目を見開く。
 まぁ実家にあるのは洋書であって、全部英語で書かれているものなのだが。なんか知らないけど父親が「英語はこれから必須になるから!」とえらい必死に言い募っていたので・・・。
 ぶっちゃけ、父に習うまでもなく読み書きヒアリングなどなど、一通りこなせるんですけどね!いや、うん。しょうがないじゃないか。前世そういう場所で過ごしたんだから。日本語圏内の人なんてほぼほぼいなかったんだからね!
 おかげでお父さんが「うちの子天才!」ってハイテンションになる事態に見舞われたわけだが、ごめん軽く詐欺ってる。いやでも実力だからね?うん。ワタシワルクナイ。
 さておき、多分ここにあるのは大体日本語翻訳されたものだろう。どうしようかな、洋書があればそっちを読もうか・・・いやでも翻訳されてるなら目を通すのも楽だろうしなぁ。悩みながら、とりあえずあれはキープせねば!とぐっと腕を伸ばした。
 足も爪先立ちになって高さを加えつつ、棚に張りつきながら目一杯腕を伸ばす。ふるふると指先と足先が震えるが、届いたのは背表紙の本の下の部分だけだった。ちょん、と指先が触れて、それがまたなんだか悔しい。背表紙の僅かな隙間に引っ掛けようと指を動かすものの、うまくいかない。その内その体勢を延々を続けるのが辛くなってきて、力を抜くとぺたりと爪先立ちだった足裏を全部床板につけた。棚に手をついたまま、ふぅ、と溜息を吐く。

「わかってたけどね・・・!」

 あの高さは届かない予感がしてたものね・・・!だけど、だけど、挑戦したくなるのが人ってものじゃないか!面倒くさい一手間を省きたくなるのが人間ってものじゃないか!台を探すその手間を惜しんだ結果、まぁそうなるよね、と予想に違わない結末にふっと微笑を零した。
 ・・もうちょっと背があればなんとかなりそうなのになぁ・・・。まぁしかし、もうちょっとあったところで結構隙間なくぴっしりと棚に納まっている本は、下手に抜き出すと雪崩方式で周囲も落ちてきかねない。さすがにハードカバーの分厚い本が頭上に何冊も落ちてくる現象は遠慮したいな、とレシピ本を抱えなおして肩を落とした。・・・大人しく台を探してこよう。
 最初からそうすればいい、という声が聞こえそうだったが、しかし何処にあるかもしれない踏み台をぐるぐると探すというのは存外面倒くさいものだ。
 最後に名残惜しく高い位置に鎮座する本を見上げて、面倒くさいなぁ、と小さく息を吐くと、ぬっと何かが脇の下から飛び出し、ぐっと脇下を掴むと突如として体が浮き上がった。

「はぁ!?」

 思わずここが静寂を尊ぶ図書館だということも頭から抜け落ちて、遠慮のない声が口から飛び出る。そしてそれをまずい、と思う思考さえも抜け落ちていた。ポカンとしながら、突如高くなった視点に、瞬きをしきりに繰り返す。地面という安定感を失った足はぶらりと宙を掻き、高くなった目線には見上げていた本の背表紙が並ぶ。そこでようやく、脇の下にかかる違和感は、人の手によるものだと把握した。・・なんで?!
 何故人の手が脇の下から、というか何故持ち上げられている?何が起こった?ホワイ!?吃驚して固まった状態で、レシピ本をぎゅっと両手で抱えたまま、自分の状態を掴みかねて身動きが取れない。・・・え、なんなんだこれ?

「本、取らないんですか?」
「・・・え?」

 呆然としたまま硬直していると、後ろから低い、けどどこかほわほわと柔らかい声が聞こえて、ようやく現実に意識が戻ってくる。反射的に後ろを見れば、眼鏡をかけた美形のオニーサンが、ふわふわと綿菓子みたいな笑みを浮かべて見下ろしていた。この状態でも見下ろしてるとか!!てか誰?!むしろこいつが犯人か!なんだこの状況!?
 突っ込みたい部分は山のようにあれど、何故だろう。この笑顔を見ると反論の一切を奪われる気持ちになるのは。警戒心だが疑念だとか、そういった諸々のことなど何も知りませんとでもいうように、にこにこ笑みを浮かべる青年に悪感情は見受けられない。見受けられないが、意味がわからない。何故私はこの綿菓子みたいな青年に背後から持ち上げられてるのかも、どうして青年が笑顔でそれをやらかしているのかも、何もかも。
 ポカンと口をあけて呆けたまま、私がぎこちなく首を傾げた。

「え、っと・・・?」
「本、取りたいんですよね?これなら届きますよ」

 うわ、眩しい・・・!ぺカー、と光り輝く純度百パーセントの笑顔が間近で炸裂し、そのあまりの真っ白さに目が眩む。いや比喩表現ですけどね。とりあえず、この善意でしか構成されていませんよ、とばかりの笑顔に私は瞬きをすると、青年から視線を外して正面を見た。・・・あぁ、うん。

「届き、ますね」
「はい」

 うん、確かに、青年が言うように持ち上げられた私の高さは先ほどまで苦労していた高さもなんなく届くほどの位置にある。近くなった上の棚には目的の本が、こちらの異常な状態など全く関係ないとばかりに静かに佇んでいて、手を伸ばせば引き抜くことなど造作もないだろうことがわかった。
 宙を掻く足から床までの高さなど考えたくもない。青年の背の高さも、人間の体重をこうも軽々と持ち上げる力強さも、何もかも投げ捨ててしまいたいほどには、私の頭は混乱していた。・・・私、子供じゃないんですけどねぇ。なんだこのちっさい子にされる扱いは。
 というか、そうか。青年は、本当に善意で、こうしてるんだな。うん。確かに、こうすれば、本には手が届くよ。台を持ってくる必要もないよ。それはわかる。わかるが。でもさ、それなら、普通に取ってくれればいいんじゃないのか・・・?!
 だから何故この状態!?と叫びだしたい衝動を懸命に押し殺す。ここは図書館だ、という意識がようやく戻ってきたのだ、あと叫ぶと後ろの人の反応が怖い。
 私の状態を見かねたのならば、後ろの人が本を取ってくれれば済む話だよね?!なにこの余計な一手間!いらない!こんな気遣いいらない!!
 そうは思うが、下して、と今更言うのも微妙な話だ。何故なら人を背後から抱えている見知らぬ青年は、本当に善意で行っているからにすぎないからだ。あの笑顔はそういう笑顔だ。あと多分この状態になんの疑問も感じていない不思議ちゃんだ。
 気にしている私の方が可笑しいのだというぐらい自然な態度に、いつまでもこの体勢でいることの方が恥ずかしい、と思い当たり、私は諸々の何かを溜息に篭めて、半眼で本棚に手を伸ばした。うん、人間、諦めも悟りも必要だよ。大丈夫、慣れてる、子ども扱い。
 ・・・誰かに見られたらマジなにやってんだあいつら、と思われるな。
 いやでもこれは私の意志ではなくて後ろの人のありがた迷惑というか・・・!つらつらと内心で言い訳を連ねながら、他の本も一緒に抜き出さないように丁寧に一冊だけ抜き取って、ぽっかりと開いた隙間と片手にかかる重みに本を両手で抱えるように胸に抱きこんだ。
 ハードカバーと薄手のレシピ本がなんだか微妙なコラボレーションを見せている。・・ともかくも、これで用は終わった、とばかりにほっと息を吐いて、後ろを見た。
 さぁ、これで下してくれとばかりに目線を向けて・・・・。

「っ可愛い!」
「ぐふっ?!」

 下されるどころか、脇の下にあった手が正面まで回り、ぐっと力任せに抱き篭められた。青年の広い胸板に後頭部がぶつかり、宙に足が浮いたまま一瞬胸部にかかった負荷に、息が変な形で逆流する。あと青年、声でかい!ここ図書館!!
 そう注意をしたいのに、抱きしめられて頭にぐりぐりと頬を擦り付けられるともう何がなんだかわからないので、目を白黒させるしかなかった。あとやっぱり、胸を圧迫する腕が結構苦しい。

「ちょ、放して・・・!」
「ちっちゃくてとぉっても可愛いです!フランソワーズみたい!」
「誰!?何?!あの、お願いだから放してくださ・・・!」

 フランソワーズって誰だよ!?思わず突っ込みそうになったが、それ以上に初対面にも関わらずぎゅうぎゅうと抱きしめてくる相手の気が知れない。怖い、とか、変態か!とか、美形ならなんでも許されると思うなよ!とか、色々思うところはあるのに、この遠慮のなさに全部が押し流されてべしべしと青年の腕を叩くというささやかな抵抗しかできない。なのに一切意に介さないとか、こいつ人の話を全く聞いてないな・・・!自分の世界に入ってしまっているのか、可愛い可愛いとしきりに繰り返しながら人をぎゅうぎゅうと抱きしめる青年に、じたばたと体を動かして抵抗する。人の抵抗って、結構煩わしいものだと思うんだけど、この青年、微動だにしてないとはどういうことだ?!しかも抱え込まれてはあまり大きな動きはできない。更に運の悪いことに背後からの抱擁で、これではボディに一発だとかいうこともできないだろう。こうなれば肘鉄をするしかないのか・・・。いや、許される。この状況は許されるはずだ。だってこれ、まんま変質者に襲われているいたいけな少女という構図だ。
 うん、私悪くない。いくら彼から別にそういった意図でこんなことをしている雰囲気は感じられないとはいえ、この状態は問題だ。ネックなのは初対面ということだな、うん。知り合いならば開き直れるというものの、そうでないのに何時までもこの状態はさすがにちょっと。
 そう考えると、あの青年の綿菓子みたいな笑顔に多少罪悪感めいたものを感じたが、悪いのはこの人、と言い聞かせてばたつかせていた手足の動きをとめ、ぐっと肘を曲げて溜めを作った。

「そうだ!翔ちゃんたちにも紹介しなくっちゃ!」
「は?」
「翔ちゃんと並んだらきっともっと可愛いだろうなぁ」
「しょうちゃん?え、ちょっと、あの・・・・・・うわわっ!」

 なにか突然、頬ずりをやめて変なこと言い出したと思ったら、視界に入った顔は異常なほど光り輝いていた。吃驚するぐらいきらきらしていて、ほっぺたは薔薇色に染まって彼の興奮具合を表している。それはもうとっても素敵なことを思いついたのだ!とばかりに煌く目に呆気に取られていれば、彼は突然私を抱きかかえたまま、踵を返してしまった。おぉい!?

「え、えぇ?!待って待って!私まだここに用が!」
「翔ちゃーーーん!」
「人の話を聞いてーーーー!!」

 というかいい加減下せよ!!最早ここは図書館なのだという意識は、互いの頭の中にはなかっただろう。声の大きさを抑える、なんてことを考え付くはずもなく、走り出した彼に抱きかかえられたまま強制退場を強いられた。館内にいた生徒の驚きと奇異の視線に居た堪れなく思いながら、カウンター席を通り過ぎたときに見えた司書さんの驚いた目にあぁ、と思わず手を伸ばす。決してその手が誰かに届くことはなかったのだが、物凄い勢いで図書館から出て行く彼と、遠ざかる赤煉瓦の図書館に、めそ、と涙が浮かんだ。
 私、まだ、貸し出し処理やってない・・・!

「止まってええぇぇぇぇぇ!!」

 というかもうあの図書館にいけないかもしれないじゃないか、馬鹿ぁ!そんな必死の訴えなど、最早自分の妙案に没頭しているこの名も知らない変質者めいた青年には届かないことだろう。あぁ、どうしてこうなった・・・!揺れる振動と食い込む腕に、爪をたてて、流れていく景色と横切る生徒の姿に、最後の抵抗とばかりに顔を俯かせた。
 こんなときこそ出て来い、学園長!怨念のように念じてみるのに、こういうときだけは出てこない都合のよさに、どちくしょう!と涙した。
 ・・・・・・私、何か神様の気に障るようなことでもしたんだろうか・・・?