ゴルゴタの丘からは何が見えたのか
「。お前は世界の果てを見届ける、異端の使いとなるだろう・・・」
告げられた言葉に、その場の空気が静まり返った。
※
ヘブラスカの預言は大層あたる、らしい。かといって明確な言葉ではなく酷く抽象的なものであり、明確に何をどう、というのはわからない。まあその程度のものの方が下手な具体性よりもいいとは思うけれど。預言は所詮預言。変えることも可能なひとつの未来の提示に過ぎないのだから。かといって曖昧なのかズバリ言っちゃってるのかわからない預言渡されても、と思うのはダメだろうか。
「世界の果て、ね・・・」
「率直に捉えるなら、伯爵との戦いを見届けるって意味だな」
「そんなどれぐらいかかるかもわからんものを見届けろってか・・・」
ていうかそれは、決着がつくときが帰れるときということなのだろうか。えぇ、ちょっと真理そんな気の長すぎる話は面倒だよ。ポジティブに考えれば、その時になれば帰れるということであり、またその時まで死ぬことはないということかもしれないが、未来は変わるもの。というか帰る時というのは意地でも変えたいところだ。はぁ、と溜息を零して食堂の扉を開ける。
その瞬間に注がれる視線は見慣れない人物に向けられる好奇の視線であり、無遠慮なそれにあますことなく晒された。食堂内は大食堂、そういわれても遜色のない広い室内で、木製の椅子とテーブルが所狭しと並べられていた。まあこの教団の広さだ。人数も半端ないのならばこれぐらいの設備は当然か。そういやまだ仕組みを詳しくは聞いてなかったな、と思ったがそれはまたおいおいと知ることになるだろう。時間帯も時間帯だし、ひとまず休みを取るべきだ、という指示を貰ったのだから気兼ねする必要もあるまい。食堂は夕食の時間を外れている時間だからか、人はそれなりにまばらだ。座る場所の確保に奮戦しなくてもよさそうなのはありがたい。けれど教団に所属している人数が人数だからか、それでも人がやや多く見えるのは何事か。ぐるりと一通り食堂を眺め回して、注文を受け付ける窓口を発見する。
「あそこで頼むのかな」
「さっさと行くぞ」
人が振り返ったのに無視してさくさくと進むクロスに肩を竦める。好奇の視線を掻き分けながら歩けば、ひそひそと話し声すら聞こえる。多少声が大きい人が中に混じっているのか、不躾な嘲笑が聞こえた。
「あれが新しく入ったエクソシストか?」
「ガキな上に女までいる。本当に戦えるのかよ」
「女のエクソシストだなんて、どうなることやら」
クスクスクス、という笑い声が食堂内にさざなみのように広がっていく。普通にしていればきっと居た堪れないことこの上ない、最悪の状況だ。侮られている、馬鹿にされている。
不愉快なことこの上ない。というかそういう陰口は聞こえないところでやるべきだと思うんだが。食事を受け取る窓口に並びながら、心なしか眉宇を潜めて溜息を零す。時代の波というものを感じたように思った。クロス自身も子供ということで声が上がっているが、それでもその程度のことでどうこうなるような神経でもなければ裏付けされた実力がある。つまり、言わせたい奴には言わせておけばいい、とばかりに知らん振りだ。まあ私も別に周りの評価なんぞどうでもいいんだけれども、気分がよくないのは確かである。陰口言われて不愉快にならない人間は珍しいと思う。かといってそれでどうこう、ということはないのだけれど。
クロスは適当にメニューを伝えながら、クッと口角を吊り上げてあからさまに馬鹿にしたように目を細めた。
「戦えない女ならどれだけ楽だっただろうな」
「どういう意味よクロス。あ、私B定食でよろしく」
「言葉のままだろうが。砂糖とミルクはいらねぇ」
「戦えなくても私だったら楽も何もないと思うけど?あれ、アイス選べるんだ。じゃあバニラ」
「定番だな。プリンとゼリー?焼プリンだったらプリンだ。お前自分で言ってどうとも思わないのかその台詞」
「自分を知ることが人生を愉快に生きる術の一つよ。23番だって」
「あぁ、確かにな。テーブルそこでいいだろ」
納得の声をあげながら番号札を持って開いているテーブルにどっかりと座る。クロスは先に出てきたコーヒーを口に含みながら、灰皿を手元に引き寄せた。換気扇近くにあったかな、と思わず視線を泳がせる。壁際だから結構近くにあった。ラッキー。くるくると手持ち無沙汰に番号札を回しつつ、でもねぇ、と首を傾げる。
「男尊女卑ってわかりやすいねぇ」
「女は大抵そういう位置づけだからな」
「ま、仕方ないか」
何かこう、色々と詐欺のような気もしないでもないが、大体19世紀頃のこの時代、男尊女卑の傾向なんてざらにある。特に神に仕えるといえば、存外に男が主だったものなのだ。女でもシスターというのはいるが、しかし優先順位、地位的なものは男の方が高いのが世の常。それを考慮すれば口さがない陰口は致し方ない、というものである。向けられる視線を気にするでもなく(キリがないし)番号札をたてて、指先で弾いた。くるくるくる、とすばやい回転でテーブルの上を走り出す。
「そういやさー」
「あ?」
「私達の部屋ってどこになるんだろうね」
「・・・聞いてなかったな」
「だねー」
パチリと年相応に瞬きをして、タバコを取り出したクロスにまた室長室まで戻るのか、と溜息を零した。めんどい。視界の端で徐々に回転が遅くなり、垂直に立っていた札が傾いていく。最後の足掻き、とでもいうように倒れた札は音をたてて跳ね上がり、仕舞いには数字の書かれている側とは反対側の面を見せて横たわった。もう一度札を回そうと手を伸ばすと、いいタイミングで番号を呼ばれる。あ、と椅子を引いて立ち上がり、番号札を持って受け取り窓口まで近づいた。受け取って帰ってくる頃にクロスも呼ばれて、すれ違う。
テーブルについて手を合わせて食べ始めると、クロスも正面に座ってもそもそと食べ始めた。挨拶ぐらいしろよ、と思ったがその習慣って日本だけだったんだっけ?と首を傾げて鶏ささみのフライを頬張った。・・・むむっ!
「美味しい・・・お肉が柔らかくってジューシィー・・・っ。ただの食堂かと思ってたのに・・・黒の教団、侮りがたし!」
「馬鹿か」
「何いってんのクロス。食は大切よ食は。食欲は人間の三大欲求の一つなんだから」
美味しいものがあるのとないのとじゃ全然感じ方が違うんだからね!びしっと箸で(箸があることの驚きだ!)示しながら大真面目な顔をすると、割と馬鹿にしたような目で見返された。あんた、そんなこと言ってたらいつか泣きを見るんだからね。失礼な、と思いながら野菜に手を伸ばす。頬張れば瑞々しい甘さが舌の上を刺激した。このキャベツも甘くて美味しい・・・なんでこんないい食材使ってんのここ。どんだけ金持ち。まあいいけど、タダで食べられるなら。これはデザートにも期待大だ。うっわちょー楽しみ。向かいでかぼちゃのポタージュを啜っているクロスはそんな私に一つ溜息を零して、フォークを手に取る。あさりのスパゲティをフォークに巻きつけたところで、ふと声がかかり顔を上げた。
「失礼。君たちが新しく入団したエクソシストかな?」
「えぇまあ一応そうですけど、どちらさまでしょう?」
白いご飯を飲み下してから口を開いて、食堂の中のほとんどが白いコートなのに対して、黒いコートを羽織っているという目立つ風貌の男を見上げる。手に持ったトレーの食事からは暖かな湯気が漂っている。まだ若いのにくたびれた感じがするのは、そのコートの下から見える皺のよった、袖が黒く汚れてしまっているシャツとかよれよれのズボンの裾とかのせいだろうか。ついでにいうと表情にも覇気というものが少なく思えるんだけど。しかしながら、くたびれてはいるものの、丸眼鏡の奥の眼光は優しくも鋭さを帯びていた。気づかれない程度に観察をすませて、正面のクロスを見たが全然気にする素振りもなくスパゲティを頬張っている。相手は任せた、といわんばかりだ。ていうか興味すらなさそうなんだが、と思いながらじっと見つめれば、人当たりよく彼は微笑んで手を差し出した。
「私はフロワ・ティエドール。ミハイル室長から君達を部屋に案内するように頼まれてきたんだよ」
「あぁ、そうなんですか。それはわざわざありがとうございます。もうご存知でしょうけれども、私はと申します。こっちはクロス・マリアン。どうぞよろしく」
クロスの性格だからな、挨拶もろくにしそうにない。そう思いながら当たり障りのない挨拶を交わしてどうぞ、とクロスの隣を薦めてみた。顔をあげてクロスが睨んできたが、にっこりと笑ってかわす。ティエドールさんはどうも、と頭を軽く下げながらクロスの横に座ろうとした、のだが。
「隣に座るな爺」
「じじ・・・ッ」
ついでに長い足で蹴り出そうとまでしながら、頬杖をついて流し目をティエドールさんに送る。いやいやクロス、まだ彼若いよ。爺と呼ばれる年齢じゃないよ。多少くたびれてはいるけど。突然の暴言にさすがに表情が歪んだティエドールさんは、それでもなんとか笑みを浮かべて首を傾げた。
「私はまだ爺と呼ばれる年齢ではないんだが」
「どうでもいいな、そんなこと。そもそも俺は汚いのが嫌いだ。ついでに野郎も好きじゃない。隣に座りたいならもちっと小奇麗な格好にしてからくるんだな」
ふっと口角を吊り上げて笑い、肩を竦める様子は甚だ腹立たしいことこの上ない。私、自分がこんな態度に出られたら迷わず頭鷲掴みにして脅し、・・・じゃなくて教育的指導をすることだろう。初対面にしてなんという態度、と目を丸くしながらも、クロスは不遜な態度で気に下素振りもなくスパゲッティを口に運ぶ。ティエドールさんはあまりにもあまりな対応に、不愉快そうな顔をするかと思ったが、意外や意外。にっこりと微笑みを浮かべて情け遠慮なくクロスの横に座った。クロスがピクリとフォークを動かす。
「あはは元気なお子様だね。ジェイムス元帥の言っていた通りだ」
「あぁ?」
「やたらと態度がでかくて目つきは最悪だし遠慮という言葉は地平線の彼方においてきちゃったような厚顔無恥を地でいくような子だってねぇ。全くその通りだ。さすが元帥、人を見る目がある」
「そりゃありがとよ」
「いやいや礼を言われることじゃないよ。お礼はぜひ元帥に」
「そうさせて貰うぜ、ついでにアンタにも礼を言ってやるよどうもありがとうございます、お爺様」
「本当に可愛くない子供だねぇ」
「光栄だな」
うっわなんだこの修羅場。隣同士、一人はシニカルに、もう一人は朗らかな笑顔で、不穏なものを漂わせながら会話をする様子に周りから人の波が引いていく。二人の正面に座っている私もぶっちゃけて他人の振りをしたいところだが、もうすでに手遅れだと気づいているので我関せずに食事に集中する。いや、別に私に被害は今のところないみたいだし、割り込むこともないかなと。ティエドールさんとクロスは相性が悪い、と心のメモ帳に書き加えながらさくっとした衣のささみフライを噛み味わった。変なトライアングルの完成である。入団初日にしてなんだか変な噂がつきそうだなぁ、と冷静に周りと目の前を見ながら分析をして、傍迷惑だと断じた。一通りの攻防が終わってから、二人は何事もなかったかのように食事を再開させるのだから、これまた見事というものである。・・・なんか一つのコミュニケーションみたいになってそう。今後の未来がリアルに想像できてちょっと笑えた。そしてそんな攻防の後に極普通の笑顔を浮かべて、ティエドールさんは私に向かって話しかけてきた。なんだこの個性的な面子。
「ここまでの道中、大変ではなかったかい、。特にあの崖を登るときなんか」
「まあ楽では確かにありませんでしたけど。特に問題は」
「そうか。私なんかあの崖を登るのに苦労したクチでね。登る手段なんか一つもないだろう?」
「あぁあれ自力で作らないと登れないですよねぇ。敵の目を避ける為とはいえとんだ迷惑ですよ」
「あはは、言うねぇ君も」
くしゃ、と目尻の皺を増やして笑い、ティエドールさんはムニエルを口に運ぶ。いやだって、あれは文句の一つも言わせて貰わないと割りに合わないでしょう。添え物のにんじんを箸がつまんで齧る。そこでティエドールさんは、自分の隣にいる一切会話に入ってこないクロスと私を見比べて、不思議そうに首を傾げた。
「そういえば、は見たところアジア人のようだが、二人はずっと一緒に?」
「いえつい一ヶ月ほど前に不運にも遭遇してしまっただけです」
「それは可哀想に。本当に不運だったね」
悲しそうに同情の視線を込めて心底から労われ、私はにこりと微笑みを返した。えぇ本当、世の女の子を助けるのに奮闘したものですから。クロスは眉を動かしたが、別段会話に割ってはいることもなく、ポタージュを啜る。そういやなんで一緒に行動してるんだろうね、私達。思わずクロスに問いかければ知るか、と返された。まあ多分相性がいいんだろう。
そこの男性とは違って。そう勝手に納得して、黙々と食べるクロスの皿からあさりを一つ失敬する。
「俺のあさりを勝手に取るな。代わりにそこの肉をよこせ」
「んー一切れでいい?」
「あぁ」
「ほい」
切り分けたフライの一切れをお皿に放り込んで交換成立。このあさり塩加減も絶妙だ。頬張って殻はクロスの皿に押し付けて、ささみの最後の一切れを食べる。ご飯も一口で終わらせて、ご馳走様。
「とても一月前に出会った関係とは思えないね。昔からの知己のようだよ」
「一ヶ月も一緒にいればそれなりに仲良くもなるでしょう」
そんな私達のやり取りをポカンとした顔で見ていたティエドールさんは、ナイフとフォークを翻してムニエルを切り分けながら、感心したようにぼやいた。まあ仲が良いという表現はどうかな、と思うけれど悪くもないのだからいいと思う。そういえば深く考えなかったけれど、私とクロスの容姿ってアンバランスなんだよね。片や迫力の西洋人、片や極普通のアジア人。一緒に並んでいるには多少目を引いてしまうかもしれない。何よりこの教団は外国が本部であるのだから、益々アジアの人口は低そうだ。同郷の人っていないのかしら。あぁでもこの時代江戸って鎖国してたっけ?じゃあ無理かな。
「それはそうとティエドールさん」
「ティエドールで構わないよ。敬語も必要ない。私達は仲間なのだからね」
にこり。優しい笑みを浮かべる彼に、仲間ねぇ、と時間差で運ばれてきたアイスの器を受け取りながら思う。うーん。こういう組織というものに明確に属したことがないからなんだかとっても違和感が。組織に世話になったことはあっても、はっきりと身内認定されるようなポジションではなかったからなぁ。冷たく冷えた器を置いて、スプーンをさくっとアイスに突き刺した。まあ郷に入れては郷に従えというし。そんなものだと流しておこう。
「んじゃティエドール。さっきから気になってたんだけど、なんであんただけ周りと服が違うの?」
「うん?は知らないのかい?」
「私がエクソシストの存在を知ったのは一ヶ月前だから」
だから詳しいことなんざ知らん。ある程度の知識は確かに与えてもらったが、細かいところまでは知らないのだよ。こてん、と首を傾げれば、彼は眼鏡の奥の瞳を和ませて、そっと少しよれている黒いコートの襟を摘んだ。
「これはイノセンス適合者の団服でね。それぞれ形は違ってもエクソシスト全員に配布される服なんだ。だからいずれや、クロスにも配られると思うよ」
「あーじゃあティエドールもエクソシストなんだね。じゃあ白いのは?」
「イノセンス保持者ではない、いわゆる教団のサポーターが着るものだね。エクソシストの数はあまりにも少ないから、大体見かける人はこの白い団服が主だろう」
「あぁ、室長の科学班とかああいうところが白い服なんだ」
「そういうことになる」
なるほどなるほど。だから周りも白いんだねぇ。・・・しかし服を配られるとはいっても採寸がわかるのだろうか?後日身体検査でもするのかもしれない。納得して少し溶けかかっているアイスをまた口に運ぶと、食後の一服、とばかりにタバコを吸い始めたクロスの口から紫煙がもくもくと立ち昇る。その軌跡を目で追えば、煙は換気扇に誘われるように流れて、消えていった。
「ところで、は寄生型イノセンスの適合者だと聞いたけれど・・・」
「そうだけど、何か?」
「いや、その割りに食べる量は普通なんだと思ってね」
「ん?寄生型だとなにか影響でもあるの?」
ちらり、と寄せられた視線にきょとりと瞬けば、ティエドールは個人差なんだろうけれど、と前置きをしてナイフを置いた。かちゃり、と食器のぶつかる音が聞こえる。
「寄生型は常にイノセンスを発動している状態にも近いから、体力の消費が装備型よりも激しい、と話に聞く。その分を補うように大食漢になるらしいんだが・・・眉唾ものだったかな?」
「へー。でもとりあえず私は至って普通だね」
人並みに食べられれば十分だ。燃費がいいということだね、地球と財布に優しいよ。
というか情報が曖昧な分、そんなに寄生型というのは珍しいものなのだろうか、とアイスの一口を食べて、首を傾げた。その後案内された部屋はベッドと簡単な棚とかしかないような殺風景な代物だったが、これもおいおい装飾していけばいいのだろう。どうやら私達が食事を取っている間に簡単な掃除とベッドメイクはしていてくれたようだし。今日はどうせ寝るだけになるのだから、必要なものはその内揃えるとしよう。しかしここからだと街に買い物に行くのも一苦労だよね、と溜息を零した。通販ってできないかな。まあさておき、とりあえず他の問題点といえば。
「なんで隣同士?」
「・・・明らかにワンセットで考えられ始めたな」
え、そんな馬鹿な。男女という垣根を越えて見事にクロスと隣同士の部屋割りにされたことに、軽い驚愕が。なんて迷惑!別に何がどうなるということでの不満や不安なんてものはないのだが、普通に周りからみてこの配置はどうなの。ティエドールさんは一般人らしく大丈夫なのか、と心配はしてくれたのだが。全く。
「クロス、女連れ込むのはいいけど声とかは控えてね」
「ヤッてる時にそこまで気を遣っていられるか」
「ていうか遣う気皆無だろお前。あーだからクロスの隣やなのにぃ」
宿屋での一幕は安眠妨害以外の何者でもなかったのよ!防音設備なんて整ってるわけないし、ちぃっ。・・・この部屋の壁は防音なのかな?じゃなかったら部屋を一個空けて隣か、科学班に防音にして貰えるよう打診しよう。部屋の配置に大いなる不満を持ちつつ、こうして入団初日の夜は更けていくのであった。まる。